Monologues of Joseph
オルゴールミュージアム隠れスタッフ、ジョセフ氏が語る豆知識。
コレを読めば、オルゴールミュージアムに来たくなる。
桜の季節となりましたね。皆様、いかがお過ごしですか?さて、「Monologues of Joseph」2回目です。
皆さんが日頃使っておられる小さな多目的ディスク、この媒体は同じ円形状で100年以上も前から活躍していたのをご存じですか。音楽を楽しむ目的で大きな加工しやすいスティール板で作られたディスクを用いて19世紀末から20世紀初頭にかけてオペラ、オペレッタ、間奏曲、トラッド等を酒場やレストランその他大勢の人々が集まる公共施設で演奏し
人々を癒しておりました。このディスク、大きなものは直径1メートルもあり、より長い演奏が可能となりました。もちろん現在のディスクのようにレーザー光線で読み取ってゆく方式ではありません。実はスティール盤の裏側には無数の同じ大きさの突起が作られており、オルゴールケースの中のベッドプレートに設置されている歯車を回転させ演奏するもので、歯車の両脇には2枚の大きな発音体(櫛の歯)が付けられ、これを弾いて音を奏でます。ディスクを大きくすればそれを収納する木製ケースも大型化し、響鳴力も倍化するのでより大きな音量で曲を楽しむことが出来るようになりました。演奏する場所に応じてその形状、大きさを変えて作られた様子がうかがえます。音量調整がままならない時代の創意工夫が見て取れます。その後、蓄音機の時代に入るとこのディスクはSPレコード盤に受け継がれ、以後LP、CD、MD、DVD、ブルーレイと未だに日々進化しつづけております。