オルゴールミュージアム隠れスタッフ、ジョセフ氏が語る豆知識。
コレを読めば、オルゴールミュージアムに来たくなるかも。
第五回 ストリートオルガンお好きですか?
さて、今日は年齢を問わず皆さん大好きなストリートオルガンのお話です。
ハンドルを廻すだけで曲が奏でられる便利な自動演奏楽器、それがストリートオルガンです。
このオルガンのルーツを辿りますと、遥か紀元前のエジプトにまで遡るといわれております。
17世紀以前の自動演奏オルガンは大型で水力(水車を使う)を利用して演奏していたようです。
水の落下する力で水車を回し、その力で大型の円筒バレルを回転させます。
バレルに取り付けた杭にワイヤを絡めこれを上下させることにより音弁を操り演奏しておりました。
18世紀に入るとオルガンのバレルを小型化し、手廻しオルガンが誕生します。
オーストリア帝国ハプスブルグ家の女帝マリアテレジアは当時相次ぐ戦乱で世に蔓延していた多くの負傷兵の自立の手段としてこれに注目しました。
それにより、オルガン職人が増え、通りでストリートオルガンを演奏しては収入を得るようになります。
ストリートオルガンは、より身近な存在となって行きました。大型のオルガンはお祭り広場等に置かれ、その奇抜な装飾と音量で多くの人々を楽しませました。
20世紀に入ると、このバレル式オルガンは厚紙に開けられた孔を利用した空気圧方式に進化してゆき、今では皆さんお馴染みの自動演奏楽器となっております。
しかし皆さん侮るなかれ!このストリートオルガン、ハンドルを廻すだけで音が出てくると思いきや、中々手ごわいのです。投げ銭を頂く迄にはそれなりの練習が必要なのですよ。是非一度試してみて下さいね!