Monologues of Joseph
オルゴールミュージアム隠れスタッフ、ジョセフ氏が語る豆知識。
コレを読めば、オルゴールミュージアムに来たくなるかも。
第7回 オルゴールを裏側から見てみると
今回はまず、皆さんに質問です。シリンダーオルゴールの筒に埋め込まれた数千本以上のピン、どのようにして脱落しないようにしているのかご存知ですか?
実は、先端に小さな穴(ピンを入れ込む)が開けられている千枚通しに似た形状の道具を使って1本1本埋め込んでゆきます。気の遠くなる作業ですね。その際、コンマ1mmのズレも許されません。
そして、埋め込まれたピンをどのように固定するか、ここが大事なところなのです。
当時は熱して溶かした松脂を真鍮のシリンダーの内側にぐるりと万遍なく流し込んだのです。松脂は冷めると強固な接着力が生まれます。こうして100年以上の歳月を耐えているのです。
音を奏でる櫛の歯(発音体)ですが、ディスクオルゴールにも同様に櫛の歯が付けられています。
この裏側をご覧になったことありますか?ここで思い出して欲しいのですが、マリンバ、鉄琴、木琴等の下部に付けられている共鳴パイプにお気づきですか?
これと同じようなものが櫛の歯の下に付けられているのです。
しかも、鉛が使われているため重量があるのです。これにより、互いの音が干渉し合わない様に工夫されているのです。低音部の櫛の下は大きくて長く、高音部にゆくに従って小さく短く調整して取り付けられています。これにより多くの櫛の歯を同時に弾いても音の干渉が起こりません。
いつでもオルゴールの綺麗なメロディーが楽しめるのはこの工夫のおかげなのです。