楽器ご紹介♪
みなさまこんにちは~♪
今回は、所蔵品の中から私の好きなオートマタ(からくり人形)をご紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、オートマタの中でも有名な作品 ピエロ エクリヴァン(手紙を書く道化師)です。当館では親しみを込めて彼のことを『エクリン』と呼んでいます♪
エクリヴァンとは、フランス語で‘手紙を書く人’という意味です。彼は夜遅く仕事から帰ってきたところ、ランプの灯りを頼りに羽ペンをスラスラと動かし手紙を書いていきます。しかし、途中で睡魔に襲われます。羽ペンの動きが止まり、次第にランプの灯りも小さく…そして、彼の頭も傾き瞼も閉じて眠ってしまう~っと思った瞬間! 彼が目を覚まし灯りが小さいことに気付くと、ランプの芯を調節して灯りを大きくします。そして、また手紙を書き続けるというなんとも幻想的な動きをみせてくれる人形なんです♪
それでは、エクリンのプロフィールをご紹介します。
制作国 スイス
制作年 1986年
製作者 ミッシェル・ベルトラン
動力 ゼンマイ
サイズ W370 D550 H600 mm
19世紀人気が高かったギュスターフ・ヴィシーの工房とレオポール・ランベールの工房で作られていたものを、ミッシェル・ベルトランが再現したものです。ベルトランの作品は色々種類がありますが、当館が所蔵しているエクリヴァンはベルトラン自身の作品です。
では、ミッシェル・ベルトランとはどんな人物だったのでしょうか?
1928年にフランスの造園師の息子として生まれました。幼い頃からオートマタに興味を持ち、当時オートマタ業界のリーダー的存在だったギュスターフ・ヴィシーの工房で修行します。そして、1968年にヴィシーの工房の技術を引き継ぎ、ゼンマイを使った伝統的なオートマタ作りに専念し、古い作品の修復にも力を注ぎ大きな業績を残しました。ベルトランは、伝統的オートマタ製作の最後の巨匠!と言われています。当館の、エクリヴァンの机の横にはミッシェル・ベルトランが作った作品と記したプレートが付けられています。
そして、ベルトランの作品は他にもございますので、ぜひご自身の目でお楽しみいただきたいと思います。ご来館をお待ちしております♪