Monologues of Joseph
オルゴールミュージアム隠れスタッフ、ジョセフ氏が語る豆知識。
コレを読めば、オルゴールミュージアムに来たくなる。
第一回 シリンダーオルゴールを支える影の主役エアブレーキ
オルゴール好きの皆さん、その音色に聴き入るだけではなく、オルゴールの箱の中もたまには覗いてみて下さい。
オルゴール演奏時に中でクルクル廻っている蝶の羽みたいなものにお気づきですか?
これは、エアブレーキと呼ばれていて、常にシリンダーが一定の速度で回転するために設置されています。
そのおかげで心地よいメロディーがいつでも楽しめるわけです。さて、現代の日本製オルゴールのエアブレーキをよく見て下さい。
エアブレーキがゴム製になっている物が多くみられます。あなたのお持ちのオルゴールはどうでしょうか?
しかし、アンティークオルゴールの場合は、クルクル廻る少し大振りの金属の羽が使われており、その上部に青赤緑等の小さなボタンの
ようなものが付けられています。これ実は鉱物で、ルビー、エメラルドという類いの硬度の高い貴石なのです。
これにより、100年以上の長きに亘ってエアブレーキを摩耗から守っているのです。先人達の知恵とは言え、
このような貴石(選別に漏れたものと考えられますが)を上手く利用して作るとは、
やはりシリンダーオルゴールは芸術品として生み出された自動演奏楽器の1つだったのですね。